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山下 卓哉
no journal, ,
原子力機構は、復興を進める国や自治体への情報提供を目的に除染シミュレーションと将来の空間線量率の予測を行っている。除染シミュレーションには「除染活動支援システムRESET」を用い、除染後の空間線量率の予測には「空間線量率減衰の2成分モデル」を用いている。「空間線量率減衰の2成分モデル」は、除染後の測定データを対象とした確認が十分に行われていないため、除染後のエリアに対する適用性の検証を行った。環境省が実施した除染モデル実証事業後の空間線量率の追跡調査結果と2成分モデルによる予測はパラメータのバラツキの範囲で良く合うことから、2成分モデルを除染後の空間線量率の予測に適用することに問題はないと判断される。
長尾 郁弥; 北村 哲浩
no journal, ,
環境中の放射性セシウムに関するこれまでの調査や研究の成果を分かりやすく解説した情報サイト「福島総合環境情報サイト」を2019年3月に開設した。このサイトでは、原子力機構による調査データ, 空間線量率や放射性セシウムの動きなどに関する数値解析の結果とともに、質問に対する回答や解説として、調査研究の結果を閲覧できる。
松枝 誠; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 北村 哲浩
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ストロンチウム-90(Sr)はウランなどが核分裂した際に多く生じる核種であり、従来の公定法(放射能分析)では約1ヵ月の時間を必要とした。そこで、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)と前処理装置を組み合わせた質量分析システムを導入し、短時間での分析が可能となった。これまでは、共存する物質が少ない雨水などを対象としていたが、今回、多量のカルシウムなどを含む魚中のSrを分析したので報告する。
藤原 健壮; 桑田 遥*; 御園生 敏治; 北村 哲浩
no journal, ,
原子力災害等の緊急時において、環境試料中の放射性物質の核種やその量を把握することは、環境中へ放出された放射性物質による影響を評価するための基本データとして重要である。しかしながら、ベータ線放出核種の一つである有機結合型トリチウム(OBT)の分析には、煩雑な前処理が必要で、従来時間がかかっていた。そこで本法では、OBTの分析における燃焼工程を見直すことにより、燃焼1回当たりの時間を従来法と比べて約3割短縮することができた。燃焼後に回収した水の量及び成分を比較した結果、両手法の差はほとんどみられなかった。なお、従来法における組織自由水中トリチウム(TFWT)及びOBTの分析結果はすべて検出下限値未満(TFWTで約1.0Bq/kg生鮮物、OBTで約0.18Bq/kg生鮮物)で、これらの検出下限値を用いて内部被ばくの評価をしたとしてもTFWT, OBTともにnSvレベルであった。
中間 茂雄
no journal, ,
除染後の空間線量率の変化傾向は、住民の将来の外部被ばくの評価や、住民の帰還, 帰還後の被ばく低減を検討する上で重要な情報となる。本研究では、地表面に近い位置で測定した表面線量率の変化傾向を解析し、除染後の空間線量率の変化傾向に対する被覆面の違いによる影響について検討した。空間線量率および表面線量率の減少速度ともに、土壌面よりもアスファルト舗装面において大きくなった。また、周辺環境の影響を受けない開けた場所のすべてにおいて減少速度比が0.81.2に分布したことから、空間線量率の変化は表面線量率の変化と一致し、被覆面の違いが空間線量率の減少速度に影響することが明確となった。
越智 康太郎
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湖沼の水底における底質中放射性セシウムの汚染実態の把握は、営農再開に向けて重要な課題である。従来の調査は柱状の底質試料を採取し、層ごとに分析する必要があり煩雑であった。本研究では、ため池水底で測定した線スペクトルの特性(散乱線と直接線)から、底質中放射性セシウムの深さ分布を評価する手法を開発した。この成果により、広い範囲の湖沼等で底質試料を採取しなくても、迅速かつ簡便に底質中放射性セシウムの分布をモニタリングができるようになる。
舟木 泰智; 中西 貴宏; 鶴田 忠彦
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河川・ダム湖水中のセシウム137濃度は1Bq/Lを下回り、事故から7年以上経過した現在もその濃度は減少し続けている。また、福島県の沖合5kmまでの海底には岩盤が広く分布し、河川から運搬されてきたセシウム137を含む土砂が堆積しやすい場所は限られる。
佐久間 一幸
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福島県浜通りの2級河川から海洋へ流出するセシウム137の流出量および流出率を、流域物理モデルを用いてシミュレーションした。流域から流出するセシウム137の総量は、流域面積とセシウム137沈着量に依存するものの、流出率は、ダム湖の有無や初期の沈着量分布に依存する傾向があることを報告する。
萩原 大樹
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河川水系に沈着した放射性セシウムは、土壌粒子に吸着後水流により移動し、下流域に再分配する。放射性セシウムを吸着する鉱物種の特定とその挙動を理解することは、河川水への溶出や堆積挙動への評価の観点から重要である。本研究では、富岡川の鉱物種と放射性セシウムの関係を調べた。結果、放射性セシウムは、細粒砂分画に支配的に保持された。放射性セシウム濃度は黒雲母鉱物だけでなく、有色鉱物においても優位に高かった。また、鉱物種毎の放射性セシウムの含有量についても評価した。
伊藤 聡美; 佐々木 祥人; 新里 忠史; 渡辺 貴善; 三田地 勝昭*
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福島県内の多くの地域で出荷が制限されている山菜の一つであるコシアブラが、なぜ放射性セシウムを多く含むのかを調べた。福島第一原子力発電所事故後に芽が出たコシアブラ(葉, 茎, 根)を採取し、深度ごとの根の存在量と周辺の土のセシウム137濃度を調査した。その結果、土の中の90%以上のセシウム137が存在する深度に多くの根が存在していることが分かった。このことから、コシアブラ若木のセシウム137濃度が高くなる要因の一つは、セシウム137濃度が高い深度に根が多く分布するためと考えられる。
新里 忠史; 新井 宏受*; 林 誠二*
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2017年に発生した十万山林野火災の跡地及び隣接する非延焼地において、山林の落葉落枝と土壌を採取しセシウム137分布を調査するとともに、現地にて放射性セシウムの流出観測を行った。その結果、火災跡地と非延焼地で放射性セシウム量に明らかな違いはなかった。また、火災跡地における放射性セシウムの流出率は、火災の発生年で年間2.6%と比較的高くなったものの、翌年には下草が生育し、落葉落枝が堆積することで、非延焼地と同程度の1%以下となった。
渡辺 貴善; 佐々木 祥人; 新里 忠史; 三田地 勝昭*; 伊藤 聡美
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落葉が取り除かれた森林では、通常の森林よりも放射性セシウムが移動しやすくなることが予想される。20142015年に落葉が取り除かれた森林を対象として、20162018年の3年間、土とともに移動する放射性セシウムの量を調査した。その結果、草や落葉で覆われる地面の割合が増えるにつれて、放射性セシウムの移動量が減ることがわかった。
町田 昌彦; 山田 進
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原子力機構・システム計算科学センターでは同機構・福島研究開発部門・環境動態研究グループと連携し、陸域水系における放射性セシウム動態解析シミュレーション技術(スーパーコンピュータを活用)の研究開発を進めてきた。本報告では、福島県浜通りにある大柿ダム(同地域で比較的大きい規模のダム湖)での放射性物質を含む土砂の移行シミュレーション技術の研究開発成果を報告する。まず、シミュレーション手法について簡単に説明した後、台風通過時における土砂のダム内での堆積分布のシミュレーション結果を示し、得られた知見を報告する。
土肥 輝美
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現在環境中の放射性セシウムが、「どのような形態」で「どの程度の量」残存し、「どの程度溶け出しやすいか」という情報は、環境水中から農林水産物への移行を予測する上で重要であるが、分析に多くの時間・手順を要するため、データは少ないのが現状である。環境中に残存する放射性セシウムが、どのような形態でどれくらい存在するのかというデータを、容易な方法・少ない手順・短時間で調査する手法を整備した。
新里 忠史; 林 誠二*; 新井 宏受*
no journal, ,
環境創造センター環境動態部門(原子力機構, 福島県, 国立環境研究所)が進めている環境動態研究について、フェーズ1でのこれまでの成果とフェーズ2における今後の予定を発表する。